大切な着物を長く美しく保つ!着物クリーニングの基本

日本の伝統衣装である着物は、その美しい見た目や格式の高さから世界中で高く評価されています。しかし、「お手入れの方法がわからない」「どこにクリーニングを頼めばいいの?」といった疑問や不安を抱えている方も少なくありません。

この章では、着物クリーニングに関する基本的な知識をわかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、大切な着物を長く美しく保つための第一歩を踏み出しましょう。


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着物と洋服のクリーニングは全く違う!

まず知っておきたいのは、着物と洋服のクリーニングは根本的に異なるということです。

洋服は比較的丈夫な素材で作られていることが多く、洗濯機での丸洗いやドライクリーニングに対応しているものがほとんどです。一方、着物は洋服とは大きく異なります。

特に、絹(シルク)でできた着物は水に非常に弱いです。湿気や日光に長時間当たると、色が変わってしまったり、カビが生えたりすることもあります。

また、着物は非常に複雑な構造をしています。裏地や表地、そして刺繍や金彩、友禅といった美しい装飾がたくさん施されています。もしクリーニングの際に一部でも傷つけてしまうと、着物として着られなくなってしまうリスクがあるのです。


なぜ着物をクリーニングするの?主な4つの目的

着物をクリーニングする主な目的は、以下の4つです。

  1. 汚れをきれいにする: 食事の食べこぼし、汗、皮脂(体の脂)、ホコリ、雨によるシミなど、着物についた様々な汚れを取り除きます。
  2. 虫食いやカビを防ぐ: 着物をしまう前にきれいにすることで、虫に食われたりカビが生えたりするリスクを減らすことができます。
  3. 着物を長持ちさせる: 生地の傷みや変色を防ぎ、着物の寿命を延ばします。
  4. 次の世代へ受け継ぐ準備をする: 振袖や留袖(とめそで)のように、親から子へ、さらに孫へと世代を超えて受け継がれる着物もあります。クリーニングをして大切に保管することで、次に着る人が気持ちよく着られるように準備します。

要注意!着物によくある汚れとその「怖さ」

着物につく汚れは多種多様です。ここでは、特に注意したい汚れの例をいくつかご紹介します。

  • 汗ジミ: 汗は着物についた直後はほとんど色がつきません。そのため、すぐに気づきにくいのですが、時間が経つと黄ばみや変色の原因となります。特に襟元や脇の下など、汗をかきやすい部分は要注意です。
  • 皮脂(ひし): 汗と同じように、襟や袖口(そでぐち)など、肌に触れる部分に皮脂が蓄積しやすいです。これも時間が経つと変色につながります。
  • 食べこぼし: 醤油や日本酒、油などが着物についてしまうことがあります。これらの汚れは水に溶ける性質のものと油に溶ける性質のものが混ざり合っていることが多く、処理が難しい場合があります。
  • 雨ジミ(水ジミ): 雨に濡れてできたシミは「水ジミ」と呼ばれます。水ジミは生地の風合いを損ねてしまうことがあります。絹の着物は水に弱いため、少しの雨でもシミになってしまうことがあるのです。

これらの汚れは、着物についた直後には目立たないことがよくあります。しかし、そのままにしておくと、時間が経つにつれて空気中の酸素と反応して酸化し、徐々に生地の質を変えてしまいます。特に繊細な絹は、わずかなシミでも着物全体に影響を与え、取り返しのつかないことになる場合もあるのです。


「丸洗い」ってどんな洗い方?それだけで十分なの?

「丸洗い」という言葉を、着物のお手入れについて調べたことがある方なら耳にしたことがあるかもしれません。これは、着物を解かずに、ドライクリーニング用の特殊な溶剤を使って全体を洗う方法です。

丸洗いは、着物についたホコリや油性の汚れを一気に落とせる便利な方法です。しかし、実は万能ではありません。

なぜなら、ドライクリーニングは油性の汚れ(皮脂やファンデーションなど)には強いのですが、水溶性の汚れ(汗ジミ、お酒、ジュースなど)にはほとんど効果がないからです。これらの水溶性の汚れには、「汗抜き加工」や「シミ抜き処理」といった別の専門的なお手入れが必要になります。


丸洗いでは落ちない汚れがあるのはなぜ?

これは、着物クリーニングにおいて非常に大切なポイントです。多くの方が「とりあえず丸洗いをすれば、着物はきれいに元通りになる」と考えがちですが、それは大きな間違いです。

例えば、以下のような汚れは丸洗いではきれいに落ちにくく、場合によっては汚れがさらに目立たなくなってしまい、後で処理するのが難しくなることもあります。

  • 汗ジミ → 先ほどもお伝えした通り、汗ジミは時間が経つと黄ばみや変色の原因になります。丸洗いでは汗の成分はほとんど除去できません。
  • お酒や果物の汁 → これらには糖分が含まれており、時間が経つと糖分が酸化して黄色く変色(黄変)してしまうことがあります。
  • ファンデーション → ファンデーションは油分と粉が混ざり合った汚れです。これも丸洗いだけでは完全に落としきれず、変色につながる可能性があります。

「汗抜き加工」と「シミ抜き」はなぜ重要?

着物専門のクリーニング店でよく勧められる「汗抜き加工」は、水溶性の汗や糖分などを特殊な方法で取り除く処理です。これにより、丸洗いでは対応できない水溶性の汚れをきれいにすることができます。

さらに、特定の場所に付いたピンポイントの汚れに対しては「シミ抜き」が必要です。これは、熟練した職人が汚れの成分を見極め、適切な薬剤や熱、水分を巧みに使い分けながら、着物の生地を傷つけずに汚れを取り除く高度な技術です。安易なシミ抜きはかえってシミを広げたり、生地を傷めたりする可能性があるため、専門知識と経験が不可欠です。


自宅で着物を洗える?絶対にやってはいけないケースとは

最近では「洗える着物」も増えていますが、基本的にはご家庭で着物を洗濯するのはお勧めできません。その理由は以下の通りです。

  • 絹は水で縮んだり変色したりする: 絹は非常にデリケートな素材で、水に濡れると縮んだり、色が変わってしまったりするリスクがあります。
  • 金彩や刺繍が剥がれるリスク: 金箔や銀箔を使った金彩加工や、美しい刺繍が施されている着物は、自宅で洗うと装飾が剥がれてしまう可能性があります。
  • 部分的なシミ抜きに対応できない: 自宅の洗濯では、特定のシミだけを効果的に取り除くことができません。かえってシミを広げてしまうこともあります。

ポリエステルなどの「洗える素材」でできた着物であっても、縮みを防ぐための処理(防縮加工)がされていなかったり、洗濯後のアイロンがけが難しかったりすることが多いです。結局のところ、プロの着物クリーニング店に任せた方が、安全で確実にきれいにできる場合がほとんどです。


着物は次の世代に受け継ぐ「大切な財産」

着物は、単なる流行に左右されるファッションアイテムではありません。何世代にもわたって大切に受け継がれてきた、まさに「文化的な財産」と言えるでしょう。特に振袖や訪問着などは、将来、ご自身の娘さんやお孫さんに譲ることも想定されることが多いです。

だからこそ、「とりあえず安いお店に出せばいいや」「自分で何とかしよう」という考え方ではなく、信頼できる専門のクリーニング店に任せるという姿勢が非常に重要になります。着物の専門家は、着物の素材や加工方法を熟知しており、それぞれの着物に合った最適なお手入れ方法を提案してくれます。


まとめ:着物クリーニングは「未来への投資」

着物クリーニングは、単に「着物の汚れを落とす作業」ではありません。それは、着物の命を守り、美しい状態を保ちながら、次の世代へとつなぐための「文化を守る行動」でもあるのです。

クリーニング料金だけでお店を選ぶのではなく、そのお店の技術力、信頼性、そして丁寧な説明があるかを重視して選びましょう。大切な着物が長く愛され続けるように、正しい知識を持って最適な選択をすることが、着物の持ち主としての責任であり、喜びにもつながります。

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